【HS】天下一ヴドゥ祭カードレビューその3【現役ライバルズプレイヤーが語る】
こんにちは。
例の企画第3弾です。
《金切り声》
ウォーロックのレアスペル。
手札の一番軽いカードを破棄し、《火山ポーション》を撃ち込みます。
《魂の炎》と《シャドウボルト》を比べると、手札1枚破棄は+2.5マナ相当と見えます。
そう見ると少々物足りませんね。
ただ、今回はランダムに破棄ではなく一番軽いカードを破棄なので、
自分のフィニッシャーを落とす心配がなくなったり、《クラッチマザー・ザヴァス》を
活かしやすくなったりとかなり使いやすさは向上している気がします。
これで0.5マナ分はトントンといったところでしょうか。
ウォーロックにこの手の除去は現在《地獄の炎》《冒涜》がありますが、
《冒涜》は「凍てつく玉座の騎士団」のカードなので来年落ちてしまいます。
ばんばんドローできるウォーロックなら破棄を気にせずとも切れると思うので、
もしアグロが台頭してくるようなら採用を考えられる1枚です。
自分の悪魔も死んでしまう、クエスト存命期間中は《冒涜》が使える、
このカード自体コストが軽いので同じカードで落としてしまいやすい等
あまり積極的に採用するほどの魅力は感じませんね。
《女大祭司ジェクリック》
自分が破棄された時追加効果を発動して戻ってくる
《クラッチマザー・ザヴァス》の系譜を継いでいます。
あちらが単体強化なのに対し、こちらは数が増えます。
また、コピーなのでパンプアップの能力も引き継げます。
1度でも《入魂》や《コウモリの精霊》でバフを乗せてやれば、
強い盤面を作り続けられます。
もし「破棄ウォーロック」が作られるのだとしたら、このカードは
《死線の追跡者レクサー》のように
コントロール系デッキに対し非常に強い性能を発揮するでしょう。
なかなか粘り強いアーキタイプになるかもしれませんね。
《無謀なダイアトロル》
コストの割に大きなスタッツと破棄デメリットは
《ラッカリ・フェルハウンド》を思い出させます。
こちらも対アグロ性能はかなりのもので、またデメリットも軽いため
使いやすい壁となってくれるでしょう。
しかし、これも手札破棄によりコストパフォーマンスを改善しているので、
このカードをプレイしたら《金切り声》を捨てなければならない、
またその逆も然りと、軽いことが仇になる場面も多そうです。
アグロ相手には軽いカードでなく重いカードを捨てたくなることもあるため、
なかなか塩梅が難しいところです。
《ソウルウォーデン》
自分の破棄したカードをランダムに3枚手札に回収する能力を持ち、
純粋に3枚ハンドアドバンテージを取れると考えると、
6/6/6のスタッツと合わせかなり強いミニオンだと思います。
弱点はやはり破棄していないと強さが半減してしまうこと、
今弾の破棄カードはコストが軽いカードを参照するため、
必然的に終盤で軽いカードばかりが手札に加わり、
あまり試合に大きな影響を及ぼさないかもしれないことなどが考えられます。
ただやはりカードを得る効果は強いはずですし、
《女大祭司ジェクリック》を回収してくることができれば
そこからまた展開できるなど優秀なことに変わりはないかと思われます。
レジェンドではないので2枚積むことができる点も評価できますね。
《スモルダーソーンの槍騎兵》
ウォリアーのエピックミニオン。
ドラゴンシナジー特有の手札参照効果と《止めの一撃》を内蔵しています。
1マナ多く払えば3/2ボディがついてくるということで、
なかなか書いてあることは強そうに思えます。
奇数であるということで、嫌でも「奇数ウォリアー」を考えてしまいますね。
「奇数ウォリアー」には《ダイノマティック》が存在していて、
殺し損ねた手負いのミニオンをこれを絡めることできれいに掃除できます。
しかし現在スタンダードにウォリアーの専用ドラゴンはおらず、
使えそうなドラゴンは《眠れるドラゴン》や《イセラ》《アレクストラーザ》等
ファッティに限定されています。
どれも従来の「奇数ウォリアー」には入っておらず、またミニオンを
処理するカードは現在充実しています。
実質上位種の《キングモッシュ》の現在の使用状況を見ても
このミニオンはインパクトほどの使用率は出ないかもしれません。
今後の追加カードに期待ですね。
《ぶんどり部隊》
ローグのレアスペル。
3マナで2枚の海賊サーチ+コンボで武器をサーチできる
アドバンテージの塊のようなカードです。
《エルフの吟遊楽人》に似たカードのように見えます。
使い方として「キングスベインローグ」が《大洞窟のキラキラ拾い》
以外にも《キングスベイン》をサーチする手段にする事が考えられます。
ちょうど《人斬りバッカニーア》《グリーンスキン船長》が
海賊の武器強化カードとして存在しているので、相性もいいと思われます。
問題は3マナ使って盤面に何も出ないこと、サーチ先が限定的なので
割と早いターンで腐ってしまうことが挙げられます。
《段取り》を使えば早いターンから手札を整えられるので、
隙を作らずプレイしていきたいところです。
サーチ先には相性のいい《ブラッドセイルの略奪者》を入れるなどして
種を増やすか、むしろ絞って確定サーチに使うといいでしょうね。
スタン落ちで《キングスベイン》セットが落ちてしまうのが悔やまれます。
《墓場の怪異》
プリーストのレアミニオン。
現代に蘇った《魔力の巨人》といったところでしょうか。
若干パワーが落ちた代わりに挑発を持ち、守りに厚くなっています。
プリーストは《影の幻視》を使えるので回数を水増しすることができ、
さらに《影の幻視》で《影の幻視》を引っ張ってくるコンボなどで
このミニオンのコストを下げること自体は比較的簡単に行えると思います。
しかし現在のプリーストのスペルはミニオンがいてなんぼ、と言った物が多く、
また使いどころを選ぶものばかりです。
「ビッグプリースト」には実質バニラの効果が目立ちますし、
《魔力の巨人》が結局プリーストで使われなかったように、このカードも
現在スタメン入りは厳しく追加カード待ちのように感じます。
使用する場合は《金箔のガーゴイル》《太陽の砕片ライラ》などで
うまくアシストしていきたいですね。
《野生のビーストマスター》
中立のエピックミニオン。
獣をドローするたびに+2/+2バフを載せるという縛りのゆるい効果から、
ウォーロックのロアを強化したり、ハンターの《カルナッサの仔》との
シナジーを狙ったりと様々なコンボを思いつきますね。
サイズも3/3/4と安心の阪神スタッツでテンポ負けしませんし、
かなり優秀なミニオンだと思います。
獣の多いハンターが主な居場所となるでしょうが、
大穴で《ダイアモール》《獰猛なヒナ》《ブリンクフォックス》
《月を食らうものバク》等獣の多い「奇数ローグ」も採用できるかもしれませんね。
さすがにないかな…?
《トラの精霊》
パラディンの精霊。
自分が呪文を唱えると、マナコスト分のパワータフネスを持つミニオンを
おまけで召喚できる効果を持ちます。
パラディンには自分のミニオンをバフできるカードが数多く存在し、
このミニオンの貧弱なスタッツをカバーしながら展開できるのではないでしょうか。
従来この手のバフは単体除去に弱く、沈黙などでまるごと損をしてしまう
デメリットが有りました。
しかし、この精霊は最低でも横にミニオンを展開しつつのバフを可能にするため、
パラディンの弱点を克服する良デザインのミニオンだと評価します。
言わずもがな新カードの《挑戦者あり》のようなバフ以外の高マナ域スペルと
合わせて使っても十分強力です。
久しぶりに偶数でも奇数でもない、純粋なミッドレンジ、コントロールパラディンを
見ることができそうな気がします。楽しみです。
《サメのロア・グラル》
ローグのロア。
5/2/2と貧弱なステータスをしていますが、雄叫びで自分のデッキのミニオンを
食べ成長します。死ぬと腹の中からミニオンが帰ってくる、
と言った感じでしょうか。ブラックジャックでこんな話見た気がします。
このミニオンが公開されてからずっと言われているのが《クライヤミ》の捕食。
たしかに5/22/22は破格の効果ですが、はたしてローグにクライヤミなんて入れたい
でしょうかね…?
一応ローグは《ファルドライ・ストライダー》や《学術スパイ》など
デッキにカードを埋めることを得意としているため、無理なく《改造エレク》を
採用することができますが…
細部は違いますがおそらく感覚としては《マイラ・ロットスプリング》が
マナコスト的にも一番近いのではないでしょうか。
沈黙やバウンス除去に弱く、また小型ミニオンを多く採用する
ローグにとって、噛み合った効果ではないように感じます。
環境初期の頃は「学術スパイロアクライヤミローグ」なんてネタデッキを
組む実況者さんが一人くらい現れそうな予感がしますけどね。
《魂剥ぐロア・ハッカー》
中立のロア。
ロアは中立にもいるんですね。ロアって名前だけなのかもしれませんが。
《ケガレた血》は自動詠唱付きの呪文で、引くと更に2枚の《ケガレた血》を
デッキ内に仕込むという効果を持っています。
これによりだんだんデッキを《ケガレた血》が侵食していくみたいです。
この効果は実際にハースの親会社が経営する「World of Warcraft」で起こった事件を
もとに作られたものだそうです。Twitterから無断転載します。
汚れた血事件に以外と関心が多いらしくてちょっと解説
— 丸 (@jinchangz) January 3, 2018
汚れた血事件、Corrupted Blood incidentとはwowで実際起きた伝染病事件であります
この事件は先ず今日説明したハッカルと言うレイドボスのあるデバフから始まります
簡単に言うと、ダンジョンから出ると解除されるはずのタチの悪い伝染病が、
製作者の意図しない状態になることで解除されずにダンジョン外に持ち運ばれ、
街という街であっという間にパンデミックを起こしたという話だそうです。
怖いですね。
ミニオンとしては10マナで9/6とお世辞にも良いとはいえないスタッツに
即効性のない効果、そして何より自分も相手と同じデメリットを背負ってしまうと
かなり使い勝手の悪いカードに仕上がってしまいました。
あまりいい使い道は考えられませんが、《ベネディクトゥス大司教》などで自分だけ
デッキを増やし、《無謀な実験者》で即能力を起動できるようにし、
ただひたすら相手が伝染病に蝕まれるのを鑑賞する聖職者の鑑のような
デッキの勝ち筋にいかがでしょうか?
やるならメックトゥーンでいいですね、はい。
《ザンダラリ・テンプラー》
多分愛称は満場一致で「天ぷら」で決定です。
ふざけた名前とは対象的に、体力を10回復していたら8/8挑発になれる
かなり優秀なミニオンです。そのスタッツ、能力からモデルはおそらく
《鉤手のリーヴァー》でしょうね。
こちらのほうが種族シナジーもなく、発動条件も難しい分修正値が多めです。
体力を回復するのはパラディンが昔から得意とする分野の一つで、
《クリスタル加工師ケンゴー》や《ジリアックス》等最近でも強化されています。
体力もパラディンは武器を振るうので、適度に削れます。
よって体力10以上回復はそれなりに狙ったデッキを組めば
難なく達成できる条件だと考えます。
一度条件さえ達成すれば終盤でも腐らないスタッツ、テンポ出ししても
それなり見れるサイズなどから、「ヒーラディン」復活の
キーカードの1枚になってくれるのではないでしょうか。
《戦将ヴーン》
ウォリアーのレジェンドミニオン。
手札のドラゴンを全てコピーするという強烈なリソース回復能力を持ちます。
ドラゴンミニオンは巨大なものも多く、また今弾はウォリアーに
ドラゴンシナジーを渡されているため、
専用デッキならドラゴンが手札にある状況はそう珍しいものではないと思います。
公式では《ブームシップ》で増やした巨大ドラゴンたちが一斉に飛び出しており
有用なコンボ例だなと見てて思いました。
《イセラ》で手札に加わる《エメラルドドレイク》も増やせるため、
うまく決まったときの盤面の制圧力はとんでもないことになりそうです。
このカードは奇数ではないので純粋な「ドラゴンウォリアー」がどこまでやれるのか。
見ものですね。
昔の「ドラゴンウォリアー」は顔しか見ないとんでもないアグロデッキでしたが、
今回のドラウォリはコントロール気味に動けそうですね。
《ファイアーツリーの呪術医》
中立のレアミニオン。
自分の手札にドラゴンがいれば呪文を発見するドラシナ持ちです。
上記の「ドラゴンウォリアー」が《ブームシップ》を持ってくる動きが
強そうな他にも、凶悪なAoE内蔵ミニオン《ダスクブレイカー》を持つ
プリーストが《心霊絶叫》を持ってくる動きも考えられますね。
スタンダードのみならず、ワイルド環境でも強力な《ドラゴニット諜報員》を
場面にあったカードを持ってきたり、《コールダラ・ドレイク》
《トワイライトの守護者》を使う「偶数ドラゴンメイジ」が
コストの関係上はいらない《フレイムストライク》等の大型除去を狙ったりと
ドラゴンを多めに使うデッキであれば様々な活躍が期待できます。
あまりにも採用するにはピンポイントすぎる除去呪文なんかを
ここぞというときに持ってこれると強いでしょうね。
《大自然の報復》
ハンターのレアスペル。
このターン死亡した獣ミニオンを全て復活させるハンターらしからぬスペルです。
考えられるのは《フラークのブームズーカ》で死亡したミニオンを
全て復活させるコンボですが、案外ミッドレンジハンターが不利トレードを
覆す1枚、2倍《猟犬を放て!》要員として採用しても悪くはないように思えます。
ハンターには「バ獣」という最強の獣達がいるため、
極論《死線の追跡者レクサー》が入っているデッキには採用しても
腐ることはほぼ無いかと思われます。
ただ、このようなカード特有の「決まったら強いけど何もない時本当にゴミ」な
カードは、ドロースペルの貧弱なハンターでは命取りでしょうね。
《アマニの戦熊》
中立のコモンミニオン。
相互互換版の《怒れるエティン》のような印象を受けます。
闘技場番長として知られるエティンですが、このカードはタフネスを2下げることで
ファッティ特有の確定除去に弱いという部分を打ち消しています。
僕的には、闘技場では《怒れるエティン》よりもこのカードが優先的にピック
されるべき1枚だと思います。
構築では動ける獣ということで、ハンターが《凄まじい狂乱》で混ぜたり、
《ウーンダスタ》で召喚するといい感じに立ち回れそうです。
しかし踏み倒しを多用する現在のハンターでは機動力で突撃持ちに破れ、
守りの面ではタフネスの高い《ウイッチウッドのグリズリー》で良くないか、
という話になってきそうです。
闘技場番長を襲名する日は近そうなので、それで良しとします。
《ベロベーロ》
シャーマンのレア武器。
オーバーロードしている間は2/3/3とあの《精霊の爪》を思い出させる風貌です。
オーバーロードマナはオーバーロードを持つカードをプレイしたターンと
その次のターンまで縛られているので、1枚のカードで2ターンの間3/3に
パンプアップすることができます。
現在使用されているオーバーロードカードは主に除去スペルで、
能動的にオーバーロードを発生させるカードはあまり使用されていません。
おなじマナ域で考えれば《ストームフォージド・アックス》のほうが
安定性では勝っているように見えます。
「奇数オバロシャーマン」なら能動的にオーバーロードをしながら
展開ができるので、このカードも奇数だったら、1/1/3で攻撃力+1くらいの
性能だったら…と思うと涙を禁じえませんね。
《大祭司ジカール》
自分の体力を1残して全て装甲にすげ替えてしまうというとんでもミニオンです。
これにより回復がしやすくなり、上記の《ザンダラリ・テンプラー》の
能力も達成しやすくなります。
パラディンのこれからの方向性が見えてくる1枚だと言えますね。
ちなみにこのミニオンが出てきたことにより
皆が口をそろえて言っていた「装甲を食べるカニ」の実装を
運営が全く考えていないということがわかりました。
イシュヌアラー、大ドルイド。勝利か、死かだ。
この事実を教えてしまったこいつには、最低評価を差し上げます。
《板渡らせの刑》
ローグのコモンスペル。
《影の一閃》を1マナ重くしたら確定除去になった、と言ったところでしょうか。
一応こちらはダメージを受けていなければ顔にも飛びますが…
大抵除去に使うので問題はないですね。
更に1マナ重くすれば《暗殺》になるのでしょうか。
現在のローグ除去には、言わずと知れた《ヴァイルスパイン・スレイヤー》や
ダメージ効率の良い《腹裂き》が使用されていますが、
《ヴァイルスパイン・スレイヤー》のスタン落ち後にこのカードが
どう働くのかは見ものですね。
色々と1マナの差は大きいので、難しいところですね。
《会場警備係》
中立のコモンミニオン。
敵のミニオンの数だけマナコストが減り、相手の場にフルに並んでいる状態だと
0マナで召喚できます。
その効果から「奇数パラディン」なんかではかなりのパワーを発揮するでしょう。
その他のマッチでも4マナで出せれば上等、3マナで出せれば破棄を
しなければならない《無謀なダイアトロル》よりも優秀なスタッツ持ちです。
遅いデッキには見た目以上に採用価値があると思います。
最も強力な動きはほしいマッチアップのときに《ストーンヒルの守護者》から
持ってくることですが…
どうしようもなくアグロが流行した時に採用できる、
今弾の《タール・クリーパー》になってほしいものですね。