だらだらかーどげーむ

染め上げろ、隣の土地は赤く見えるぞ

【HS】ゲンとバクが異例の殿堂入り!?【環境の破壊者】

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こんにちは。

 

今回は前回の殿堂入りカード紹介クラシック編に引き続き、殿堂入りカードクラシック以外編をお伝えします。

 

前倒しローテ落ち!?

というのも、まだスタンダードで使用できる期間が残っているにもかかわらず、その期間を前倒しにして殿堂入りされるカードが発表されました。

 

NEUTRAL__GIL_826_jaJP_BakutheMooneater.png NEUTRAL__GIL_692_jaJP_GennGreymane.png

そう、彼らです。

 

「妖の森ウィッチウッド」で登場した目玉のレジェンドで、それぞれデッキの中に入っているコストを参照してゲーム開始時にヒーローパワーを強化します。

以下、公式の声明です。

 

《月を食らうものバク》&《ゲン・グレイメイン》
バクとゲンは環境に登場して以来、新しい強力な戦略をもたらしたカードだ。その2つの戦略は、意図した以上にスタンダードで流行しており、ドラゴン年に新登場するものが霞んでしまう恐れがあると感じられたんだ。セットのローテーションによりスタンダードに新たな息吹を与え、ランク戦の健全性を保つため、バクとゲンを栄誉の殿堂入りさせ、1年早くローテーションすることにしたぞ。

 

ドラゴン年に新登場するものが霞んでしまう

 

今まで絶対非を認めなかったblizzardが、ついに漏らした本音でしょう。

あまりにも強すぎた。あまりにも調整不足過ぎた。

そういうことでしょう。

 

実は僕自身、偶数奇数のヒロパグレードアップのすべてが大失敗だったとは思っていません。

「引けたときと引けないときで勝率がぐんと変わる」「DKになってもヒロパがグレードアップされたまま」であった《縛鎖のラザ》の改良点をしっかりと踏襲し、ハイランダーと同じくそれに見合ったデメリットもありました。

では何がいけなかったのか。

 

 

問題は僕の中で2つあると思っています。

まず、「ヒロパ格差が大きすぎる」ということ。

これは、ヒーロー間でもありますし、奇数と偶数でもあります。

例えばパラディンの奇数ヒロパは毎ターン新兵を2体出すもの。

これにより、毎ターンヒロパを押していくだけで相当量の盤面を築きあげることが可能になり、今まで初心者の行動としてバカにされていた「1t目コインヒロパ」をしたほうが強い場面もあるほど強化されてしまいました。

言わずもがな、誇張でもなんでもなく毎ターンヒロパを押しているだけで勝てます。

対して奇数シャーマンのヒロパは選んだトーテムが出るというもの。

シャーマンのトーテムの中ではぶっちぎりで呪文ダメージ+1トーテムが強いので、狙ってそれを出すことができます。

しかし、やってることはほぼ素のシャーマンのヒロパと同じ。

毎ターンヒロパを押すことが勝利につながるわけではありません。

一つの強さの基準は「ヒロパを押すことで盤面をとれるのか」です。

これは奇数ローグや奇数パラディンのヒロパに当てはまります。

奇数シャーマンのヒロパも「ランダムな基本のトーテムを2体召喚する」だったらぶっ壊れだったでしょう。

別にヒロパで盤面をとれない奇数ウォリアーがなぜ強いか、同じようなヒロパでもさっぱり見なかった奇数ドルイドと最近よく見る奇数メイジの強さの違いに関しては後述します。

 

 

ここまで偶数に触れていませんが、正直偶数は調整に成功しているものだと思っています。

奇数があまりにも強すぎるのです。

今まで天下を取った偶数は《動員》全盛期の偶数パラディンと、ワイルドで活躍する偶数シャーマン程度です。

これは、ヒロパがメインにならない程度で、総合的にみて「普通のデッキ」と何ら変わらないパワーをしていたからです。

そもそもカードデザインはもともとのヒロパをもとに作られています。

与えるダメージやもらえる装甲が従来のものと同じならば、コストが1安くなっても変わらないということでしょう。

偶数ヒロパが取れるタフネス1のミニオンが弱いのはいつも通りですが、タフネス2のミニオンまで取られてしまうのが奇数ヒロパの悪いところ、壊れポイントだということです。

 

 

2つ目の理由として、「その時のカードプールがかみ合いすぎた」ということが挙げられます。

言い換えると、強化されたヒロパが整数デッキのころの戦い方に合いすぎたということです。

盤面をとれないヒロパの持ち主、例えばウォリアーやプリーストはコントロール向けのヒロパをしています。

コントロールウォリアーやコントロールプリーストが戦ううえで、重要なものは体力の回復とAoE、つまり全体除去です。

彼らは毎ターン4点回復できるので、2ターン目から4ターン目までヒロパを打ち続けて5ターン目でAoEを打つことを考えると、4×3で12点までダメージを軽減することができます。

4ターン目までに本体の体力と合わせて42点はという数字は、一般的なアグロが攻め続けても容易には削ることができません。
そしてそこからもヒロパで毎ターン4点回復していく。
アグロには基本負けません。

体力の回復は十分行えることが分かります。

では残りはAoEの質ということになります。

問題視されている強デッキ奇数ウォリアーは《乱闘》《大暴れ》《スーパー・コライダー》《ダイノ・マティック》などAoEにあふれています。

 奇数だけでも、一つのデッキを組めるだけの量があったのです。

 

ちなみにコントロールウォリアーが今まで採用していた偶数カードは、装甲を得るカード、もしくはヒロパだけでは防げない速さのデッキをいなすための《終末預言者》やナーフ前《烈火の戦斧》でした。

ヒロパが強くなったことにより、偶数カードに頼らなくてもよくなったのです。

《出陣の道》の代わりに関しては、装甲がヒロパで4点手に入れられるようになったため《大暴れ》が採用できるようになりました。

 

同じような境遇の奇数プリーストがなぜ天下をとれなかったかに関しては、ダメージを受けていないと回復できないプリーストのヒロパの弱さにあります。

もしプリーストの本体への回復が30点を超える青天井であるのならば、《集団ヒステリー》《心霊絶叫》といった除去に加え《ベネディクトゥス大司教》でデッキも切れない、奇数ウォリアー以上の凶悪なデッキになっていたかもしれません。

 

同じようなヒロパを持つ奇数ドルイドと奇数メイジの明暗を分けたのもカードプールの違いです。

奇数ドルイドも奇数メイジも、ヒロパを見ればアグロ向き。

アグロドルイドは従来数を並べて《獰猛な咆哮》や今は亡き《蓮華紋》などで一気にバフをかけ轢き殺す戦い方をします。

しかし、奇数にしたからには撃てる時には毎ターンヒロパを撃っていかないとほかのデッキの下位互換になってしまうため、常にターン数ー2マナで動いていかなければなりません。

ヒロパが数を並べるものではないため、自身の持つカードが戦い方にあっていなかったのです。

 

ではなぜ奇数メイジは環境に出てきたのか。

アグロメイジ(秘策メイジ)は秘策こそ奇数ですが、優秀な顔削りスペルである《ファイアボール》《フロストボルト》は使えません。

基本的にはドルイドと同じ道をたどるしかありませんでした。

しかし、「天下一ヴドゥ祭」で状況は一変します。

皆さん分かると思いますが、《大胆な火吹き男》《放火魔》《ドラゴンホークのロア・ジャナライ》がカードプールに加わったのです。

毎ターンヒロパを撃つことで生じるデメリットを帳消しにしてくれるミニオンが大量に追加されたので、環境に出てこられたのです。

事実上のテコ入れといってもいいでしょうね。

《暗き牡鹿》?《きらめく蛾》?知らない子ですねぇ。

 

偶数が環境に入れたのもカードプールのおかげです。

ワイルドの偶数シャーマンは《地底よりのもの》のコストを下げやすくすることに加え、《ヨドミノヒバナウナギ》という分かりやすいテコ入れカードがありました。

加えて《炎の舌のトーテム》も存在していたので、オーバーロードアグロシャーマンと差別化ができていたのだと思います。

偶数パラディンは言わずもがな《動員》のおかげです。

あのカードのナーフ以降コロッと姿を見なくなったのはそういうことです。

 

 

 

ここまで長々と語ってしまいました。

要点を説明すると、僕が思う奇数偶数の失敗点は

 偶数に比べて奇数が強くなりすぎた

理由として…

・ヒロパが普通のカードレベルで強くなってしまった

 →半永久的に使える手札のようになってしまった(奇数パラディン)(奇数ローグ)

・奇数で組んだ際、抜ける偶数のカードの役割をヒロパが補えるようになった

→毎ターンヒロパ連打でHP管理が間に合うようになった(奇数ウォリアー)

・明らかにテコ入れであるカードをもらった

→偶数奇数で組むメリットが大きすぎた(奇数メイジ)

(→偶数も偶数でやりすぎた(偶数パラディン)(偶数シャーマン))

 となります。
 

はい、ところで皆さんこう思うんじゃないですか?

「別にこれは奇数偶数の整数に比べて強い所説明じゃん。」

「デッキとして成立してはいるけれど今のTier1は壁プリーストだし、奇数偶数自体はいい位置づけにいると思うんだけど。」

と。

 

そうです。

 

奇数偶数自体のデッキパワーはもちろんトップクラスのものも存在しますが、そこまで飛びぬけて強いわけでもないんです。

 

ではなぜ殿堂入りしたか。

 

 

「カードの調整が面倒くさいから」だと僕はにらんでいます。

 

 

今までblizzardは強すぎると考えたカードをナーフする際、コストを1上げる(場合によってはそれ以上もありますが)ことで措置としてきました。

これは、あまりにも弱体化させてしまうと誰も採用しないようなカードが出来上がってしまうからです。

M:tGは堂々と「コモンはだれも使わないようなカスカードでいい」「上位互換上等」みたいなことを言っていますが、ハースストーンは「すべてのカードにワンチャンを見出してほしい」といったニュアンスを持っています。

(だからと言ってすべてのカードパワーを上げすぎるとshadowverseのようになってしまいはするのですが…)

 

しかし、偶数奇数の概念が生まれたことによりそういったナーフができなくなりました。

最近の顕著な例では《平等》があります。

もともと2コストでは強すぎたので、ナーフしようということになったのですが、コストは3ではなく4。

一気にコストが2上がる調整というのは《含み笑う発明家》のような大暴れしたカードだけが受ける特別な仕打ちです。

《平等》はそこまで暴れたわけではありません。

ずっと使えるクラシックだから、3マナでも強すぎるからとは言っていましたが、僕は《平等》を奇数パラディンに渡すわけにはいかなかったからだと考えています。

このように、奇数偶数があると強すぎるアーキタイプがあるせいで適正なマナコストにできないという問題が出てきます。

これは現存するカードだけでなく、これから刷るカードにも適用されます。

「このカードの適正コストは3だけど、今スタンダードにいる奇数ローグの手に渡るとまずいから4で」となってしまうのです。

これは構築戦だけにとどまらず、闘技場での格差にもつながってきます。

もし適正コストが3なのに4コストにして刷れば、「ちょっと弱いカード」が意図的に追加されてしまうからです。

 

奇数偶数のためにナーフせざるを得ないカードがわんさか出てきた、というのも問題の一つでしょう。

古い例だと《動員》、最近だと《レベルアップ!》《炎の舌のトーテム》がそうです。

普通、カードを調整する際は厄介ごとを引き起こしている大元を調整すれば元に戻ります。

しかし、奇数偶数はデッキごとにヒロパの挙動が違うため、大元を断ちづらいのです。

その結果、奇数偶数の強いデッキタイプが出るたびにそのデッキ内からナーフをしないといけません。

これも結果的に、適正コストの超過を引き起こします。

ナーフの量も増えますし、偶数奇数がいなければコストが変動しなかったであろうカードもバンバンナーフされるためユーザーの不信感も強まってしまいます。

 

「ドラゴン年に出るカードが霞む」というのは、カードのインパクトだけではなく、偶数奇数がいるとカードを弱くしなければならないので話題になりにくいといったニュアンスも含んでいるのではないでしょうか。

 

 

 

これらの厄介児をワイルドに投げることで、調整を楽にしようと思ったのでしょう。

ヒロパ内容をいじるのではなく、そのままの状態でワイルドに追加することを処置だとしているので、運営、ワイルドをゴミ箱と思っている説は正しいのかもしれません。

 

 

DRUID__GIL_130_jaJP_GloomStag.png MAGE__GIL_838_jaJP_BlackCat.pngPRIEST__GIL_837_jaJP_GlitterMoth.png SHAMAN__GIL_530_jaJP_MurksparkEel.png

これらの奇数偶数カードも軒並み殿堂入りします。

《暗き牡鹿》《きらめく蛾》に関しては殿堂入りなんておこがましいレベルだと思うのですが、しようがありませんね。

 

 

というわけで、偶数奇数のおかげで振り回された時代は終わり、ドラゴン年からは本当に新環境が始まります。

DKもいない、偶数奇数もいない、クエストもなけりゃ今まで当たり前のようにいた《ファイアフライ》《ダイアモール》、《リッチキング》もいなくなります。

 

お互いににらみ合い、隙あらばワンキルを仕掛ける今のハースストーンとはうって変わって盤面を取り合うさながら闘技場のようなバトルができるのではないでしょうか。

 

新拡張の情報はそろそろ出るはずです。

 

期待に胸を膨らませて、待っていようと思います。

 

ちなみに今回の記事はすべて推測で、すべて間違っているかもしれません。

そのあたりはあしからず。

 

それでは。