【M:tG】スタン&EDHプレイヤーが語る「ラヴニカの献身」【赤いレア・神話レア編】
《倍火》
めくったクリーチャーのスタッツが倍加して襲い掛かってくるクリーチャー。
もとの名前がAmplifier(増幅器)にFire(炎)を掛けた《Amplifire》と洒落た名前であったが、日本語訳班もなかなかいいセンスである。
うまく行けば《ギガントサウルス》《動じない大ワーム》をめくってワンパンを狙うことができるが、自身が1/1なのでこのクリーチャーを
主体にしたデッキを組むと、このクリーチャーをめくってしまうジレンマが発生する。
スタンダードではパワーの高いクリーチャーも多く、狙えば上記のようなコンボを決めることはできる。
しかし、遅い赤のデッキ【ビッグレッド】ではフィニッシャーに《包囲攻撃の司令官》のような本体は小さいクリーチャーを採用しているし、現在優秀とされるクリーチャーは【探検】(や【暴動】)で自分のパワーを底上げするものが多いため、思うように行かないことも多いだろう。
同名カードをめくって2/2になる悲しい事故も起こるし、せっかく30点以上のパワーを叩き出してもチャンプされて終わり、除去されて終わりとあくまでロマンカードの域を出ないだろう。
EDHでは《豪腕のブライオン》と相性が良い。
必然的に大きなクリーチャーをたくさん採用するため、運が良ければ《無限に廻るもの、ウラモグ》がめくれて殴って20点、投げて20点ワンショット!なんてこともあるかもしれない。
ハイランダー構築なので同じカードがめくれることもない。
《雷電支配》
スタンダードなX火力にXマナ以下の呪文を踏み倒せる、在りし日の《巧技》サイクルを彷彿とさせるカード。
Xが大きくなればなるほど打ち消されたときの
デメリットは大きくなるが、青くない相手にならこれ1枚で恐ろしいほどのアドバンテージを叩き出すことができる。
スタンダードでは宝物トークンを生成するギミックを多用する【ビッグレッド】の《苦悩火》と差し替えたり、また、あまり火力を積まない【ジェスカイコントロール】でも、相手のフィニッシャーを焼きながら《ドミナリアの英雄、テフェリー》を着地できると考えると、なかなか採用しても良い火力に思える。
青以外には大きなマナで打ち込み得なカードなので、様々なデッキで戦況を捲くる事が可能なキングオブトップカードと言える。
EDHでは擬似的なマナ加速、マナフィルターとして使用できる。
《巧技》サイクルは自分が使った感じかなり優秀だったので、このカードも同じような使用感で役に立ってくれることだろう。
欠点に統率領域からは踏み倒して出せないことがあげられるが、たった2マナで自分の唱えたいカードのマナ・コスト分のダメージを与える火力が腐るはずがないので、様々な場面で活躍が期待できる。
1on1と違い打ち消されにくい(妨害が入りにくい)のも特徴。
X=0で撃っても《祖先の幻視》のようなマナ・コストを持たない待機カードを唱えることができる。
火力であることやインスタントタイミングを
活かすことはできないが、何らかのデッキで採用されてもおかしくないだろう。
下の環境ではX呪文は避けられる傾向にあるが、この呪文ならあるいは...と考えさせられるカードである。
《焼身のシャーマン》
相手がマナ能力以外の能力を起動するたびチクチクとダメージを与えるミニオン。
プレイヤーにしか飛ばないが、自身がパワーを持ちマナの要らない火力なのでおまけとしては及第点。
スタンダードでは【ボロスアグロ】のような赤入りの速攻デッキに採用が見込める。
次環境では【ラクドスアグロ】【赤単速攻】も出てくるかもしれない。
このカード自体が《茨の副官》のようにマナフラ受けを担っているので、多少騎士シナジーがなかったり人間シナジーがなくとも採用できるだけのスペックは持っているように感じる。
タフネスも3あり、相手の動き方次第では【絢爛】のトリガーになったりと小粒ながらぴりりと辛い性能のクリーチャーと言える。
EDHでは少々使いづらさが目立つが一応アーティファクトによる無限コンボを抑制できるほか、無限マナの受け先と呼べなくもない。
種族がなかなか珍しくシナジーもあまり得られなさそうなので、赤単のデッキのおしゃれ枠として《縫合の僧侶》のような立ち位置をキープしそうである。
ヴィーアシーノ自体がドミナリアとラヴニカ、
そしてアラーラにしか生息しておらず、最近の拡張でたくさんの新規が得られたのは本当に偶然の産物と呼べる。
伝説のヴィーアシーノが出る日は来るのだろうか。
《鏡の行進》
ラクドス名物コイン投げを行うエンチャント。
今回の成功報酬はクリーチャーの水増し。
理論上このカードを出しておけば次のターンからいつでも相手は死ぬ確率が出てくる。
流石にそんなカードがたやすく出せるわけはなく、かなり重いマナ・コストに設定されている。
スタンダードでは前環境の《千年嵐》に似た波動を感じる。
ただし、このカードはソーサリー、インスタントに過剰なまでのボーナスを付与するものであり、どちらかと言うとジョニー向けである。
(コンボを追い求めるプレイヤーの総称)
こちらはシナジーもへったくれもない正真正銘の運否天賦、間違いなくティミー向けのカードである。
(ド派手な効果を追い求めるプレイヤーの総称)
このカードの良い点はシナジーを何も考えなくてもとりあえずはよく、適当にぽんと採用しても手札で邪魔するくらいしかデメリットがないところである。
逆に悪いところは特にシナジーを形成しないため、「なんでそれ入ってるの?」と言われた
ときにデッキの差別化が難しい、採用する利点、個性を出しにくいところがある。
一応EtB能力を持つクリーチャーをたくさん採用する、伝説のクリーチャーをあまり採用しない、くらいは工夫できるが…
このカードが入っているデッキはアーキタイプどうこうの前に間違いなく【鏡の行進】と呼ばれるだろう。
良くも悪くも深く考えなくて良い直感的なカードである。
EDHではもとがお祭りフォーマットであるため、脅威に感じるプレイヤーより挙動が気になるプレイヤーが大半で邪魔しようとする人もほぼ居ないだろう。
ただし統率者はコピーしてもレジェンダリールールで消滅してしまうし、別のクリーチャーで120点分を削るのもかなり無理があるだろう。
クリーチャーを召喚する都度負けるまでコインを投げられるため、《偶然の出会い》で特殊勝利を目指しながらまったり馬鹿をやっても面白いかもしれない。
※テキストに勝ち負けの概念が存在しないので、おそらく発動できない。
カイジの真似をするのもまた一興。
「ど゛う゛し゛て゛な゛ん゛だ゛よ゛お゛お゛ぉ゛お゛!゛!゛!゛」
《リックス・マーディの歓楽者》
絢爛持ちの熊。
絢爛コストが元のカードよりも重い珍しいクリーチャーで、普通に出すとルーター能力。
絢爛コストで出すと《騒乱の歓楽者》のような効果になる。
スタンダードでは、ドローソースが乏しく1:1交換を行いがちな赤を含むアグロに採用を考えられる。
また、《孤光のフェニックス》の存在もあるため、手札を捨てるのも一概にデメリットとはいえない。
《騒乱の歓楽者》も下の環境では優秀なドローソースとなっているだけに、このカードも期待が持てる。
弱点は絢爛コストで出した場合、4/2/2で盤面に触れられないため、出したターンが無防備になってしまうところである。
現在のスタンダードでは手札が少ないことを参照する《熱烈の神ハゾレト》のような強力なカードが存在しないため、今のスタンでこのカードを採用する利点はそこまで無いように感じる。
また、ドローソースのライバルに《実験の狂乱》も存在する。
EDHでは赤に手札を7枚にするカード軍が存在するため、このカードを採用する理由はほぼほぼ無い。
《熱烈の神ハゾレト》デッキには絢爛コストのせいでデッキに入らない。
ルーターにしてももっと高性能で色を選ばない《密輸人の回転翼機》が存在する。
最近までブイブイ言わせていた懐かしい顔ぶれである。
《スカルガンのヘルカイト》
環境に1枚はある5/4/4のドラゴンシリーズ。
前環境では《栄光をもたらすもの》が勤めていた。
グルールの新常盤木能力【暴動】を持ち、速攻を選べばそのままフィニッシュ、
強化を選べば、少々重いが《二股の稲妻》を撃ち込むことができる。
ちなみに「スカルガンの」は誤訳で、「Skurrgan」で「スカルグの」という意味がある。
グルール一族/The Gruul Clans - MTG Wiki
スタンダードでは赤を使用するミッドレンジ系のデッキがフィニッシャーとして使用したり、《火の血脈、サルカン》を使用するドラゴンデッキで高速で召喚しても良いクロックになってくれることだろう。
【赤単ドラゴン】の完成も近いかもしれない。
弱点と言うか残念な点として、基本的に5/5/5で出すことに対してのメリットが薄すぎることがあげられる。
現環境は除去が優秀なので、5マナのクリーチャーを素で出しても結局除去される未来しか見えない。
起動コストも重い割にそこまで点数を飛ばせず、パワー不足感は否めない。
環境に多い《黎明をもたらすものライラ》に一方的に殴り殺されたり、《再燃するフェニックス》に衝突して損することも多そうである。
EDHでは同サイズでもっと優秀なドラゴンが存在している。
これらのカードは【飛行速攻+@】なのに対し、こちらは【飛行、速攻or+@】の時点で正直どうしようもない感は否めない。
利点としては無限マナを出せればすべての対戦相手を焼き払うことができる。
また、《巨大なるカーリア》であれば速攻を持たないデメリットは解消されるため、【暴動】で5/5/5飛行速攻+@となることができる。
この統率者の場合は、もっと優秀な天使やデーモンがいることが向かい風となる。
次は緑のレア、神話レアです。