EDHしかやらない男の「ラヴニカのギルド」評価 統率者、PW編
次回発売される拡張、「ラヴニカのギルド」のカードも徐々に情報が揃いつつあります。
そこで、一度カードリストを見てEDHに使えるパーツや統率者候補が居ないかをたしかめてみましょう。
まずは伝説のクリーチャーから。
《Etrata, the Silencer》
ブロックされない、特殊勝利持ちと殴りジェネラル大好き民のワタシ垂涎の一枚。
…かと思いきや、3回殴らないと特殊勝利にならず、またダメージを与えるたびにデッキに帰ってしまうという特性を持ち、その実かなり扱いづらいみたいですね。
EDHには特殊勝利条件として「統率者ダメージ」が有り、普通の殴りジェネラルは強化なり何なりで3回パンチを通せばその人はほぼほぼ死にます。(というか死なないと殴りジェネラルとしてやっていけない)
そのため、統率者としてはちょっと残念な仕上がりです。まだ手札に戻るなら救いようがあったかもしれません。やっぱフェイジって神だわ。
《Lazav, the Multifarious》
またもやディミーアのキャラクター。こいつは以前の「ラヴニ回帰」でも登場したディミーアの長です。
このラザーヴと同じく、今回も化ける効果。
戦場に出た際に「諜報1」
Xを支払って、あなたの墓地の点数で見たマナコストがXのクリーチャーのコピーになる(名前は変わらず、伝説性を追加し、この能力は失わない)
とあります。
前のラザーヴは自分の墓地を参照できないためなかなかデッキを組む気が起きなかったのですが、今回は自分の墓地限定と来ましたか…
統率者目線では軽くなり、どうせコピーするのでp/tは関係ありません。
諜報も噛み合っているのでかなり有用な統率者となるでしょう。
思いつくだけでも《生き埋め》→《トリスケ》《おにぎり》《壊死のウーズ》→ラザーヴ着地即ウーズコピーでゲームが終わります。
2枚目の《影武者》としての運用が正しそうです。
着地効果が使えない代わりにいつでも好きなクリーチャーに変身できるため、呪禁持ちをいれておけば安心ですね。
墓地にジンさんがいればもう混乱間違い無し。
問題は莫大にかかるマナですが…
《パルン、ニヴ=ミゼット》
ビッグニュース!!
あのミゼット様が更に唱えにくく、更に強靭になって帰ってきた!(レインボーアートデラックス)
今まで2回カード化され、今現在もモダマス'17で一攫千金を夢見る魔道士たちの夢を粉砕し続ける、ご存知イゼット団のボス。
今回の効果は双方の効果をモチーフに、更にドローの縛りをゆるくした感じですね。
まさか赤トリシン青トリシンのセクステットとは。
本当にケラノスさんへの信心が深いですね。このミゼットが居るだけでケラノスさんが顕現してしまいます。案外相性もいいという。
統率者としてはインスタント、ソーサリーを唱えるだけでドロー、そしてティムれるので特別な構築なしでも扱いやすいです。
ただし、有色無限マナさえ出せれば単体でゲームを終わらせられる龍英傑のほうが統率者に向いているといえば向いている気がしますね。
《Izoni, Thousand-Eyed》
遊戯ボーイ!
サウザンドアイと言えばこのモンスターが思い浮かぶ人も多いかと思われます。
効果は
Cipで「宿根」、自分の墓地のクリーチャーの数だけ黒緑の1/1昆虫トークンを生成
黒緑&他のクリーチャー1体を生贄:1点ライフ回復&カードを1枚引く
とあります。
ここだけの話《Undergrouth》は《下生》だと思ってたので予想当たらず無念です。
緑黒という組み合わせはいくらでも勝ち手段をデッキに詰め込めるので、ドローしかできない統率者でもそう困ることはないと思います。
壌土からの生命などでゴリゴリ削れば一回の召喚で簡単に20体くらい1/1トークンが並ぶと思うので、大地の知識とマナエンチャントからガンガンマナを伸ばしてドローしたりクリーチャーを出していけそう。
後は、横に並ぶので孔蹄のビヒモスが馬鹿にならない火力を出しそうです。
本体が少々重い、サクリにマナが必要なのがネックといえばネック。
ドローが無償でできるはずはないですけど…サクリ台はマナがかからないほど上質ですので。
《Aurellia, Exemplar of Justice》
ボロスからは先導者のオレリアさんがやってきました。
飛行、教導(殴るたび自分より低パワーの攻撃クリーチャー1体に+1/+1カウンターを1つ置く)
自分戦闘開始時にクリーチャー1体を選び+2/+0の修正、その後
- それが赤ならばトランプルを付与
- それが白ならば警戒を付与
となっています。
新能力「教導」は殴っているクリーチャー限定かつ自身を対象に選べないため、少々使い勝手が悪そうですね。
まぁEDHで統率者以外へこんな修正なんて、あってもなくても一緒ですが。
殴るときの修正は自身も対象に取れるため、実質4/4/5飛行トランプル警戒と考えると、殴りジェネラルとしてはかなり優秀。(ブロック時には2/5ですが)
色も殴りに特化しており、簡単に二段攻撃やパワーアップアイテムを付与できます。
しかし、赤白という色はドローソースがほぼ無いため息切れしやすいです。
また、自身に除去耐性がないため、自分を巻き込みやすい白、赤の全体除去を躱しにくいという欠点もあります。
山賊の頭の間やマナファクト、軽量オーラを使って速攻瞬殺を心がけていきたいところ。
余談ですが、《弱者の師》と相性がいいです。
《Emmala, Soul of the Accord》
続いてセレズニアのギルドマスター。
オレリアさんよりもライザップに成功し、前評判の「葦のようにほっそりとした体格と柔らかく上品な顔立ちを持つ、優雅な立ち振舞いのエルフの癒し手」に違わない熊ボディを手に入れたイマーラさん。
寝ると絆魂持ちの白い兵士1/1トークンを1体生み出す、
そこはかとなくエッチな香りのするモンスター。
攻撃しても搭乗しても青いエンチャで足止めされても兵士が出るので、使い勝手は良さそう。
ただし、この能力とカラーパイでどうしろというのかは謎です。
一応上記の《大地の知識》+《2マナ以上出る基本土地》に《暗黒のマントル》を組み合わせることで、無限トークン無限マナ達成です。
1.イマーラタップ、トークン出る、2マナ出る土地起きる(マナ0、アンタップ兵士1)
2.2マナ出し、トークンをタップし再度2マナ出す(マナ4、アンタップ兵士0)
3.3マナでイマーラ起こす(マナ1、イマーラアンタップ)
これをくりかえすことで達成です。
白緑で無限マナの使いみちってのはあまり思い浮かびませんが…
イマーラさんのパワーがマントルのお陰で無限になるので1人ぶち殺して安らかにターンを返しましょう(やっぱりゴリラじゃないか!!!!)
上記の《弱者の師》が場にいれば、無限ドロー無限マナを経由してゲームエンドまで持っていけますね。
これがあれば一応即勝利ですが、さてパーツは揃うんでしょうかね…
おとなしく、セルヴァラを使おうってなりそうです。
《Trostani, Discordent》
最後の伝説のクリーチャーはセレズニアの先導者、トロスターニ。
こちらは昔に比べて重くなったのにp/tは弱くなりました。
昔は「戦場に出ても何もしない」「能力起動までに1ターンを要する」「一人じゃ何もできない」ことから、名前をもじって「トロ子」と呼ばれていましたが、なんと
今作では日本語訳「不和のトロスターニ」から「ふわとろ」というあだ名をもらってしまいました。
スタッツのケツがでかくてふわとろとか、イマーラと合わせてセレズニア協議会は少々勧誘に色仕掛けを使いすぎですね。
能力は
他のクリーチャーに種族を問わないロード(+1/+1修正)能力
Cipで、白い1/1絆魂兵士トークン2体を出す
あなたの終了ステップ開始時に、各プレイヤーは自身が所有する全クリーチャーのコントロールを得る(家路能力)
となっています。
昔とは考えられない自分での動きっぷりですね。
ロード能力持ちなので生成するトークンは実質2/2、かなりのコストパフォーマンスを誇っています。が、EDHでそれだけしかできないのは正直言ってパワー不足です。
上記のサウザンドアイズさんみたいに、たくさん並べたり相手に干渉する能力持ちでないときついです。
いつものコンボの延長線上でふわとろを無限ブリンクすれば、無限トークンですね。
青が絡まないと無限明滅が難しくなってしまうのは厳しいところ。
最後に、プレインズウォーカーにざっと触れて締めたいと思います。
《Ral, Izzet Viceroy》
イラストと効果がアレなせいで、
「終身名誉乳首ーム」の名をほしいままにするおじさん。
新イラストは「乳首感じるんでしたよね?」と問うてそうなポーズです。
やっぱり乳首が好きなんですね。
能力は
【+1】ライブラリーの上2枚を見て1枚を手札に加え、もう1枚を墓地に置く
【-3】クリーチャー1体に自分の墓地と追放領域のインスタントとソーサリーの合計枚数分のダメージ
【-8】スペルを唱えるたびに4点ダメージを好きな対象に与えつつ2ドローする紋章の獲得
なんといつもの少マイナス乳首ームに加え、必殺技「紋章奥義超乳首ーム」を引っさげて帰ってきました。プラスはディミーアの「諜報」寄りな効果ですが、普通に優秀です。
少マイナスもプラス能力と噛み合い、大型のクリーチャーも焼き払えるポテンシャルがあります。
奥義まで行って4点ダメージをばらまいても、1、2人に致命傷を負わせて3人から袋叩きにされる未来が見えます。
基本プラス、場を見て少マイナスを散らしていく感じになりそうです。
《Vraska, Golgari Queen》
イクサランに続き、ラヴニカでもゴルガリの女王になったヴラスカさんが登場。
スマイル0円のこの時代に、侮蔑で数千円を稼ぐという荒業を成し遂げる敏腕な彼女がマスターになったから、あんな衰微の上位互換みたいなカードが刷られたんですね分かります。
能力は
【+2】あなたは他のパーマネント1つを生贄に捧げてもよい。そうしたなら、あなたはライフを1点回復し、カードを1枚引く。
【-3】点数で見たマナ・コストが3以下の土地でないパーマネント1つを対象とし、それを破壊する。
【-9】あなたは「あなたがコントロールしているクリーチャーがプレイヤーに戦闘ダメージを与えたとき、そのプレイヤーはゲームに敗北する」の紋章を得る。
となっています。
プラス能力は上記のサウザンドアイズさんのようにサクリで1ドローと1点ゲイン。
地味に土地やアーティファクトなんかでもいいので、いろんなコンボが思いつきますね。一応《誘導記憶喪失》をサクって記憶を取り戻せ!ってデザイナーズコンボっぽいものがあるらしいです。
少マイナスは実質《突然の衰微》。
これまたいろんなパーマネントに触れられるため、重宝しそうです。
大マイナスはいつもの「暗殺者ヴラスカ」らしい一面を見せてくれます。
自分のクリーチャーが全員「フェイジ」化するという恐ろしい奥義。
ライフの多いEDHでこれほど簡素に勝利できる能力も珍しいです。
倍増の季節があると最速3t目に奥義をぶっ放せるので、積極的に狙っていきたいところです。
-8じゃなく-9なところに調整されたというか、OP過ぎない感が出ていますね。
はい、というわけで今回は統率者戦で最も重要といえる「統率者候補」をメインに見てきました。
統率者候補として「そこまでの期待の新星は現れなかった」、というのが今回の率直な感想です。
ラザーヴは面白そうでしたけど。
次は「レア」を逐一見ていきたいと思います。